倉庫のビニールカーテン導入とあわせて考えたい電気・空調設備の省エネ対策

2025.12.17

倉庫の寒さ対策や空調効率改善を目的に、「倉庫 ビニールカーテン 導入」を検討する企業は増えています。ビニールカーテンは比較的低コストで設置でき、外気の流入を抑える有効な手段ですが、単体導入だけでは期待した省エネ効果が得られないケースも。

その理由は、倉庫全体の電気設備や空調設備とのバランスが取れていないことにあります。本記事では、倉庫にビニールカーテンを導入する目的と効果を整理したうえで、見落とされがちな注意点、さらに電気・空調設備と組み合わせて考えるべき省エネ対策を解説します。

設備全体を見直すことで、ランニングコスト削減と作業環境改善の両立を目指しましょう。

倉庫にビニールカーテンを導入する目的と効果

倉庫にビニールカーテンを導入する最大の目的は、外気の影響を抑え、空調効率を高めること。防塵・防虫対策や作業環境の改善など、多面的な効果が期待できます。

なぜ今ビニールカーテン導入が注目されているのか、そして具体的にどのような改善が見込めるのかを整理します。

倉庫ビニールカーテン導入が注目される理由

近年、倉庫でビニールカーテンが注目される背景には、電気料金の高騰や省エネ意識の高まりがあります。倉庫は天井が高く開口部も多いため、冷暖房効率が悪くなりやすい構造です。

とくに冬場は出入口から冷気が流入し、暖房を強めても十分に室温が上がらないケースが多く見られます。ビニールカーテンは、こうした開口部や作業区画を物理的に仕切ることで、空気の流れを制御し、冷暖房の効率を高めます。

また、施工が比較的容易で、工期や初期コストを抑えやすい点も導入が進む理由の一つです。作業者の体感温度改善や製品品質の安定にも寄与するため、省エネ対策と作業環境改善を同時に進めたい企業にとって、有効な選択肢となっています。

ビニールカーテンで改善できること

ビニールカーテン導入による代表的な効果は、省エネと作業環境の安定化です。外気の流入を抑えることで、冷暖房の負荷が軽減され、電気代削減につながります。また、エリアごとのゾーニングが可能となり、必要な場所だけを効率的に空調できる点も大きなメリット。

さらに、防塵・防虫・防鳥対策としても有効で、食品や精密機器を扱う倉庫では衛生管理の向上に寄与します。透明素材を使用すれば視認性を確保でき、フォークリフト作業時の安全性も維持できます。

ビニールカーテン導入時に見落とされがちな注意点

ビニールカーテンは手軽な対策に見えますが、設置方法を誤ると効果が限定的になったり、作業性や安全性に悪影響を及ぼしたりします。導入前に確認すべきポイントを押さえることで、失敗を防げます。

設置場所・サイズによる効果の差

ビニールカーテンの効果は、設置場所とサイズ選定によって大きく左右されます。出入口では通行頻度や風の影響を考慮し、めくれにくい仕様が求められます。一方、間仕切り用途の場合は隙間を最小限に抑え、温度管理や防塵効果を高める設計が重要です。

サイズが合っていないと、上部や側面から空気が漏れ、省エネ効果が十分に発揮されません。長さが過剰な場合は、床との干渉による破損や転倒リスクも生じます。倉庫環境に応じた素材や寸法の選定が必要です。

作業性・安全性への配慮

頻繁に人や車両が通行する場所では、作業性への影響を考慮する必要があります。手動式では開閉の手間が増え、作業効率が低下することも。自動開閉式やセンサー付きカーテンの導入で、このような課題を緩和できます。

また、透明度が低下すると衝突事故のリスクが高まるため、定期的な清掃や交換も重要です。防炎性能や帯電防止など、倉庫の用途に応じた安全対策が欠かせません。

あわせて検討したい電気設備の対策

倉庫にビニールカーテンを導入すると、空調効率の改善が期待できますが、その効果を十分に引き出すには電気設備の見直しも必須。電気容量や配線、照明設備が現状に合っていない場合、省エネどころかトラブルの原因になることもあります。

電気容量と配線がボトルネックに

築年数が経過した倉庫では、電気設備が現在の使用状況に適していないケースが少なくありません。ビニールカーテン導入によって空調負荷が下がる一方で、LED照明や局所空調など新たな設備を追加する場合、既存の電気容量や配線がボトルネックになることも。

容量不足の状態で運用を続けると、ブレーカーが頻繁に落ちる、機器が正常に動作しないといった問題が発生しやすくなります。さらに、老朽化した配線は電力ロスが大きく、最悪の場合は発熱や火災などの安全リスクにもつながります。

倉庫の省エネ対策を進める際は、まず契約電力や幹線、分電盤の状況を把握し、必要に応じて容量の見直しや配線更新を検討することが重要です。

照明や電源設備の見直しによる相乗効果

ビニールカーテンで倉庫内を区画化すると、照明計画を見直しやすくなります。これまで倉庫全体を一律に照らしていた場合でも、区画ごとに「必要な明るさ」を設定することで、無駄な電力消費を抑えられます。

とくにLED照明への切り替えは、省エネ効果が高く、電気代削減とメンテナンス負担軽減の両面で有効。さらに人感センサーやタイマーと組み合わせることで、使用していないエリアの消灯を自動化でき、消し忘れによる電力ロスを防げます。

また、電源設備の配置も見直しポイントです。作業動線に合わないコンセント配置は、延長コードの多用を招き、安全性や作業効率を低下させます。

空調設備を含めた倉庫全体の環境改善ポイント

ビニールカーテンは、空調設備と組み合わせることで初めて本来の効果を発揮します。空調機の能力や配置が倉庫の使い方に合っていなければ、区画しても温度ムラが解消されないことも。空調設備の見直しポイントを整理します。

空調機の能力や配置が合っていない

倉庫では、広い空間に対して空調機の能力が不足していたり、配置が偏っていたりすることがよくあります。その結果、特定の場所だけ寒い・暑いといった温度ムラが発生し、作業環境が悪化します。

ビニールカーテンで空間を区切っても、空調機自体の能力が足りなければ十分な改善は見込めません。まずは現在の空調機が倉庫の容積や熱負荷に見合っているかを確認し、必要に応じて能力増強や配置変更を検討することが重要です。

区画+空調の組み合わせで効果を最大化

ビニールカーテンによるゾーニングと、空調設備の制御を組み合わせることで、省エネ効果は大きく高まります。作業エリアのみを重点的に冷暖房し、保管エリアは設定温度を緩やかにするなど、区画ごとに運用可能です。

このような運用は、エネルギー消費の削減だけでなく、作業者の快適性向上にもつながります。さらに、センサーや制御システムを活用すれば、人の有無や時間帯に応じた自動制御も可能となり、無駄のない空調運転を実現できます。

現地調査から補助金活用まで一貫対応する松本電気工事って?

倉庫ビニールカーテン導入と電気・空調設備の見直しは、現地状況によって最適解が大きく異なります。松本電気工事では、設備単体ではなく倉庫全体を見据えた提案を強みとしています。

現地調査をもとにした設備全体の最適提案

松本電気工事では、図面や机上検討だけで判断せず、必ず現地調査を行います。倉庫の広さ、天井高、出入口、作業動線、既存設備の状況を確認したうえで、ビニールカーテンの設置位置や仕様、あわせて検討すべき電気・空調設備を総合的に提案します。

部分的な対策にとどまらず、空調効率から電力使用状況、作業環境まで含めた「全体最適」を前提に考えられる点が強みです。

補助金を活用した設備導入を完全成功報酬でサポート

省エネや設備更新は補助金の対象になるケースが多い一方、申請の手間や不確実性がネックになります。松本電気工事では、補助金申請を完全成功報酬で対応。採択されなければ費用は発生しません。

現地調査から設備計画、施工、補助金事業の完了報告までをワンストップで任せられるため、社内負担を抑えながら設備改善を進められます。

倉庫のビニールカーテン導入は設備全体で考える

倉庫におけるビニールカーテン導入は、外気の遮断やゾーニングによる空調効率向上など、比較的取り組みやすい省エネ対策の一つです。冷暖房の効きが改善されることで電気代の削減が期待できるほか、防塵・防虫対策や作業環境の安定化にもつながります。

一方で、ビニールカーテンを設置するだけでは、思ったほどの効果が出ないケースがあるのも事実。その多くは、電気容量や配線、照明設備、空調機の能力や配置といった倉庫全体の設備条件が最適化されていないことが原因です。

ビニールカーテンはあくまで「きっかけ」であり、電気や空調設備と組み合わせて初めて、省エネ効果と快適性を最大限に引き出せます。照明のLED化や電気設備の見直し、空調の運用も検討することで、ランニングコスト削減と作業効率向上を同時に実現します。

倉庫ビニールカーテン導入や省エネ対策を検討する際は、現地状況を正しく把握したうえで、設備全体を総合的に提案できる専門業者に相談することが、失敗を防ぐ近道となるでしょう。

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