2025.7.15

工場勤務の暑さに悩む方必見!この記事では、夏場の工場内での熱中症リスクや厚生労働省のガイドラインに基づいた具体的な暑さ対策、空調服や冷感グッズの選び方・活用法まで徹底解説。今日からできる熱中症予防と快適な作業環境作りのポイントが分かります。

1. 工場勤務での暑さの厳しさとリスクについて

1.1 夏場の工場内の温度上昇とその原因
工場では、夏場になると屋外気温の上昇に加え、機械や設備の稼働による発熱が加わるため、室内温度が急激に上昇します。断熱性の高い構造や換気不足なども重なり、特に鉄鋼・自動車・食品加工などの現場では40度近くまで温度が上がることも珍しくありません。こうした環境は、従業員の集中力低下・疲労蓄積に直結するリスク要因となります。
主な要因 |
影響 |
大型機器・モーターの発熱 |
室温の上昇、局所的な高温環境の発生 |
窓や換気口の少なさ |
熱や湿気がこもりやすい |
金属・コンクリート構造 |
熱が蓄積しやすく、夜間も気温が下がりにくい |
直射日光の影響 |
屋根や壁が熱を吸収し、内部温度が上昇 |
1.2 熱中症のリスクと症状
工場勤務では、夏場の高温多湿な環境下で「熱中症」になるリスクが非常に高まります。特に湿度が高い環境や、防塵服・安全装備などで通気が悪い場合には、体温の放散が妨げられ、重篤な症状に発展しやすくなります。
リスク要因 |
主な症状 |
高温・多湿 |
めまい、立ちくらみ、異常な発汗 |
長時間の作業 |
倦怠感、頭痛、吐き気 |
水分・塩分摂取不足 |
筋肉のこむら返り、痙攣 |
体調不良・睡眠不足 |
意識障害、重度脱水 |
また、熱中症は重症化すると命に関わる危険性もあるため、早期発見・対策が不可欠です。
1.3 厚生労働省が推奨する対策やガイドライン
厚生労働省では、労働安全衛生法に基づき「職場における熱中症予防対策」を推奨しています。主な対策のポイントとしては、以下が挙げられます。
- 作業場所の温度・湿度測定を定期的に行い、WBGT(暑さ指数)が28℃を超える場合の注意喚起
- 休憩や水分補給の時間を確保し、熱中症発生リスクが高い作業には2人以上での対応を義務付ける
- 作業前に体調チェックを行い、異常が認められる場合は従事させない
- 自発的な水分・塩分補給を推奨し、飲料水や塩飴などを常備する
- 冷房・送風機など機械設備による温度管理の徹底
これらのガイドラインを参考にしつつ、事業場ごとの環境に応じた独自の暑さ対策を検討・実践することが、工場で働く方々の健康維持に直結します。
2. 今日からできる工場勤務の暑さ対策アイデア

夏場の工場内は外気温以上に高温となることが多く、効率的な暑さ対策が欠かせません。
従業員一人ひとりが意識して取り組める具体的な工夫や、簡単に導入できる対策を紹介します。
2.1 こまめな水分・塩分補給のコツ
大量の汗をかく工場勤務では、脱水症や塩分不足による体調悪化が懸念されます。喉が渇く前に定期的に水分・塩分を補給することが重要です。休憩ごとにペットボトル飲料や水筒を用意し、スポーツドリンクや経口補水液を活用しましょう。また、塩飴やタブレット型の塩分補給アイテムもおすすめです。下記の表を参考に、自分に合った水分・塩分補給のタイミングを把握しましょう。
タイミング |
推奨される飲料・アイテム |
注意点 |
作業前 |
水、経口補水液 |
飲み忘れ防止のため出勤直後に摂取 |
作業中 |
スポーツドリンク、塩飴 |
30分~1時間にコップ1杯を目安 |
休憩時 |
水、お茶(ノンカフェイン)、タブレット塩分補給 |
一気飲みは避け、少量ずつ補給 |
2.2 効果的な休憩のとり方
高温環境での連続作業は熱中症の原因となります。定期的な休憩を取り入れて体温上昇を防ぐことが大切です。就業規則で定められた休憩に加え、猛暑日には短時間でも頻繁に水分補給や涼しい場所での休憩を挟みましょう。扇風機や冷房の効いた休憩室の利用も有効で、身体を一時的に冷却することで熱中症リスクを大幅に軽減できます。
2.3 作業スケジュールや服装による工夫例
夏の工場作業では、なるべく日中の高温時間帯を避けた工程スケジューリングが推奨されます。涼しい早朝や夕方に重作業を行い、高温時間は比較的軽作業を割り当てるなど工夫することで、作業者の負担を軽減できます。また、通気性の良い作業服・Tシャツ・冷感インナーなどの着用も熱中症対策に役立ちます。最近は接触冷感素材のインナーや吸汗速乾Tシャツも多く出回っており、有効に活用したいアイテムです。
2.4 扇風機やスポットクーラーなど設備による対策
工場内の暑さ対策では、空調機器や送風設備の積極的な活用が欠かせません。大規模な空調設置が難しい場合も、個人用扇風機やスポットクーラー、冷風機、工場用大型ファンなどを適所に配置するだけで、体感温度を下げる効果が期待できます。特に作業現場の空気がこもりやすい場合は、定期的な換気や局所的なスポット冷却を実施しましょう。熱源となる設備周辺は優先的な対策がおすすめです。
3. おすすめの空調服・ファン付き作業着特集

3.1 空調服とは何か、どのように体を冷やすのか
空調服とは、専用のファンを搭載した作業着で、外気を衣服内に取り入れて風を循環させることで、体表面の汗を効率良く気化させて体温を下げるウェアです。直接的な冷却効果というよりも、発汗による蒸発冷却をサポートするのが特徴です。工場現場のような高温・多湿の環境で、熱中症リスクを抑えながら快適に作業できるため、多くの現場で導入されています。
空調服本体・搭載ファン・バッテリーで構成されており、バッテリーの持続時間や風力調整、耐久性が選ぶうえでのポイントとなります。また、布地の透湿性や撥水性、デザイン性も近年重視されています。
3.2 人気メーカー別おすすめ空調服
メーカー名 |
主な特徴 |
おすすめモデル |
ワークマン |
高いコストパフォーマンスで導入しやすい。軽量・動きやすい設計が豊富。撥水加工やストレッチ素材を採用。 |
エアーライトシリーズ、ファン付きベスト |
ジーベック |
長時間稼働可能な大容量バッテリーが特長。丈夫な生地で耐久性重視の作業現場にも向く。デザインの選択肢も多い。 |
XE98020 空調服、XE98027 ベストタイプ |
寅壱 |
伝統的なワークブランドならではの優れたフィット感と丈夫さ、幅広いサイズ展開。シンプルで洗練されたデザイン。 |
9140-124 空調服ベスト |
バートル |
ハイスペックモーター搭載で送風力が強い。おしゃれなデザインと高機能素材のバリエーションが強み。 |
エアークラフトシリーズ |
3.2.1 ワークマンの空調服の特徴
ワークマンは、リーズナブルな価格と機能性を兼ね備えた空調服・ファン付き作業着を提供しています。高強度生地やストレッチ機能、紫外線カットなどの付加価値機能も充実しており、初めて空調服を導入する現場にも最適です。豊富なサイズとベストタイプも揃い、女性や小柄な方にもフィットするモデルがあります。
3.2.2 ジーベックや寅壱など他メーカーの比較
ジーベックはバッテリーの耐久性と長時間運転、水やほこりに強い防塵・防水設計、そして安定した送風力で評価されています。一方、寅壱は作業環境に密着したフィット感と動きやすさ、伝統的なワークスタイルを反映したデザインが特徴です。
用途や作業内容、装着感を重視したい方は寅壱、パワフルな送風や丈夫さを求める方はジーベックを選ぶと良いでしょう。
3.3 実際の現場での空調服の活用事例
東京都内の自動車部品製造工場では、夏場の熱中症対策としてワークマン製ファン付き作業着を導入しています。導入後は従業員の発汗量が減り、「作業終了後の疲労感が違う」「涼しくて仕事に集中できる」との声が多数。
また、食品加工工場ではバートル製のベスト型空調服を活用。資材運搬部門では「汗が乾きやすく、衛生面でもメリットがある」と好評です。実際に使用することで、こまめな水分補給も継続しやすくなったという報告もあり、暑さ対策の一助となっています。
4. 工場勤務で役立つ冷感グッズ特集
4.1 冷感タオルやアイスベストの選び方
工場内作業の現場では、熱中症対策として手軽に導入できる冷感タオルやアイスベストが非常に重宝されています。冷感タオルは、水に濡らして軽く振るだけで冷却効果が得られるため、首元や額に巻くことで体感温度を下げることができます。選ぶ際のポイントは「ひんやり感の持続時間」と「吸水・速乾性」、「洗濯のしやすさ」です。
アイスベストは、小型の保冷剤をベスト内部にセットして、長時間冷却効果を発揮します。大手メーカーのミドリ安全や山善などから発売されていますが、作業着の下に着用しやすい薄型設計や、カートリッジ保冷剤の交換のしやすさ、重量バランスを比較して選びましょう。
グッズ名 |
特徴 |
おすすめポイント |
冷感タオル(コカゲル、ミズノなど) |
水に濡らし振ると冷感持続。繰り返し使用可。 |
リーズナブルで軽量。首や手首に巻けて即効性。 |
アイスベスト(ミドリ安全、山善ほか) |
保冷剤装着型。長時間冷却効果が持続。 |
作業着の下に着用しやすい。保冷剤交換で冷たさキープ。 |
4.2 携帯扇風機やネッククーラーの活用法
携帯型扇風機やネッククーラーは、工場内の休憩時や一時的な冷却対策に非常に便利なアイテムです。最新の首掛け型扇風機は、充電式で軽量、両手が自由になるため、作業現場でも邪魔になりません。山善やドウシシャの「ハンズフリーファン」は360度送風モデルもあり、顔全体を効率的に冷やすことが可能です。
ネッククーラーは、専用ペルチェ素子で発生した冷却プレートが首元を直接冷やしてくれる仕組みで、アイリスオーヤマやサンコーなど日本国内のメーカーが展開しています。汗をかきやすい首元を冷やすことで、全身への熱ストレス軽減につながります。
グッズ名 |
特徴 |
メリット |
携帯型扇風機(山善、ドウシシャなど) |
首掛け型や卓上型など多種。バッテリー式。 |
両手が使えて作業の合間にも使いやすい。 |
ネッククーラー(アイリスオーヤマ、サンコーなど) |
首冷却プレート式、充電式・軽量設計。 |
ピンポイントで首元を冷却、暑さによる疲労軽減。 |
手軽に取り入れることができる携帯扇風機やネッククーラーですが、作業内容や業務内容によっては使用が適さない場合もありますので注意が必要です。
使用する機械に巻き込まれたり作業の邪魔になる恐れのある場合は、別の暑さ対策を取り入れてくださいね。
4.3 暑い工場ですぐに使える便利グッズ
工場勤務の現場で即活用できる冷感グッズは、現代の夏場作業の必需品となっています。
特に人気があるのは、冷却スプレー(白元アース「アイスノン シャツミスト」、ライオン「クールミスト」)や、保冷剤を収納できる冷感インナー(ユニクロ「エアリズム」シリーズ)、汗拭きシート(花王「ビオレ冷シート」)など。
これらは手軽に体の表面温度を下げたり、作業着の下に身に付けてベタつきや不快感を軽減できるため、熱中症やパフォーマンス低下防止に役立ちます。使い捨てタイプと繰り返し利用できるタイプがあるため、用途や作業時間に応じて選びましょう。
グッズ例 |
特徴 |
利用シーン |
冷却スプレー(白元アース、ライオン) |
衣類や肌に直接スプレー、即効でひんやり感 |
作業開始前や休憩時に活躍 |
冷感インナー(ユニクロなど) |
吸汗速乾素材、着るだけで涼しさ体感 |
作業着の下に着用、日常使いにも◎ |
汗拭きシート(花王ビオレなど) |
全身の汗を拭きとり、メントールで爽快感 |
清涼感リフレッシュ、仕事の合間に |
このように、工場特有の暑さを和らげるためには、従来の空調設備や服装の工夫に加え、効率的に“冷却できるグッズ”を活用することが重要です。自分の作業負荷や着用条件・職場の規則も考慮しながら、最適なアイテムを選択してください。
5. 従業員の健康管理と暑さ対策への会社の取り組み

5.1 工場全体で実施する温度管理や換気の重要性
工場では、従業員が安全に業務を行うために、温度管理や換気の徹底が非常に重要です。
多くの工場では、夏場の室温が30度を超えることも多く、熱中症や体調不良を防ぐためには、エアコンやスポットクーラー、換気扇の設置による室温調整が欠かせません。
日本国内の大手工場では環境モニタリングセンサーを導入し、一定温度を超えた場合には自動でアラートを発する仕組みや、作業エリアごとに扇風機や大型換気装置を用意するなどして、従業員の働きやすい環境づくりに努めています。
また、厚生労働省が推奨する「職場における熱中症予防対策ガイドライン」に基づき、作業場ごとのWBGT(湿球黒球温度)計測を毎日行い、状況に応じて作業ペースや休憩時間、ローテーションを調整している事例も増えてきています。
対策項目 |
具体的な取り組み |
温度管理 |
温度センサー・WBGT計の導入、こまめな温度記録と管理 |
換気 |
大型換気扇・天井ファンの設置、空気の流れを考慮したレイアウト |
冷房設備 |
スポットクーラーやエアコンの配置、遮熱カーテンの活用 |
5.2 従業員の声を取り入れた暑さ対策アイデア
現場で働く従業員自身の意見や要望を取り入れることが、実効性の高い暑さ対策へとつながります。
例えば、現場のアンケート調査や定期的なミーティングを通じて、「このエリアは特に暑い」「午後になると熱がこもるので扇風機を増やしてほしい」など具体的な意見を集める工場が増えています。
得られたフィードバックを基に、休憩時間の見直しや、作業服の素材選定、冷感グッズの支給、休憩所への冷水機の設置といった細やかな対応につなげています。
対策の例 |
現場の声から生まれた工夫 |
休憩所の改善 |
クーラー付き休憩車両設置、氷や飲料の常備 |
作業着の見直し |
空調服や速乾素材の作業服への切り替え |
グッズの支給 |
首掛け扇風機、冷感タオルの配布 |
啓発活動 |
ポスター・社内放送による熱中症予防の啓発 |
従業員の体調変化や暑さへの声に迅速に対応し、現場のニーズに即した対策を実施することで、安心して働ける環境維持につながっています。
今後も柔軟かつ継続的な改善が重要です。
6. まとめ

工場勤務における暑さ対策は、熱中症のリスクを減らし安全に働くために欠かせません。
水分・塩分補給や休憩を徹底し、ワークマンやジーベックの空調服・冷感グッズを活用することで実践的な対策が可能です。
会社全体での対策や従業員の声を反映した工夫も重要となります。
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